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どう生きていくか [・番組]

 

昨晩、放送されていた
クローズアップ現代、
「ある少女の選択~“延命”生と死のはざまで~」
見ました。

確か、以前、
小児在宅緩和ケアに関する放送があった時に
彼女を見たような記憶があります。

田嶋華子さん、
彼女は、8歳の時にドイツで心臓移植を受け、
3年前、15歳の時に人工呼吸器を装着し、
声を失いました。
その3年前から、自宅で訪問診療を受けます。
彼女は、家族とゆっくり過ごす時間が
何より好きだったからです。

放送が始まって最初の方で、
女性の記者の方が
「死は怖くないの?」と彼女に問います。

彼女は筆談で次のように答えます。

天国はおつかれ様の ばしょでもあるから
おわりだけど おわりじゃない
こころがあるから こわくないんです

 

この言葉を聴いて、
私は、彼女にしか言えない言葉だと思いました。
彼女だから言える言葉なんだと思いました。

そして、記者の方宛てにでしょうか、
メールの中で、

命は長さじゃないよ どう生きていくかだよ

そう送ったそうです。

 

「お家にいられてよかったと思うことはどんなこと?」
との質問に、

かぞくと あたり前の生活ができることですね
食事したり ソファーでおやつ食べたり

と、答えています。

 

今年6月、腎不全を発症し、
人工透析をしなければならないのですが、
自宅での透析は難しく、
病院での人工透析は何時間もかかります。

彼女は

病院にいたら くすりの方もつらいし
病院にいるのも つらいから
ふつうに かぞく三人で
くらすけついをしました

そう思いを文字で伝え、
延命を拒否する決意をしたのです。

その決意に、ご両親も初めは
娘の決めたことだからと、
彼女の意思を尊重していました。

でも、透析をしない彼女の体は
見違えるくらい浮腫みによって腫れていき、
その姿を見ながら、
ご両親の心は、娘の意思を尊重したいという気持ちと
一日でも長く生きて欲しいという
親であれば当然の感情の中、揺れていらっしゃいました。

 

海が好きだったという華子さんは
ご両親と、医療スタッフの方たちと
海のある場所へ一泊二日の旅行をします。
その旅行が笑顔で溢れていました。

彼女の笑顔を見て、
お父さんは、ずっと心の中にあった本当の気持ち、
助かる命なら助けてあげたいと
担当しているお医者さんに
正直な気持ちをお話し、相談します。

あおぞら診療所の前田先生は、
「生きて欲しいと思うけれど、
自分の価値観を押し付けることはできないので
ご家族三人で決めてください。」とお話し、
前田先生立会いのもと、
華子さんとご両親がお互いの正直な思いを話します。

前田先生が、お父さんの思いを華子さんに伝えると、
華子さんは、携帯のメールを使って思いを綴ります。

私は透析しないって気持ちは変わってません
私らしく過ごしたいです
もう十分がんばってきたし
自分の命は自分で決めたことだし
もう パパ 追いつめないで

華子さんの決意は固いものでした。
そして、この言葉の中に
これまでずっと治療を続けてきた
華子さんにしか分からない辛さも見えたような気がしました。
「追いつめないで」
もし、息子にそう言われたら・・・
想像しただけで、寂しくなりました。

きっと華子さんは弱音も吐かず、
治療を続けてきたのでしょう。
でも、もしかしたら、もっと甘えたり、
もっとわがままを言ったり、
弱音を吐きたかったのかもしれません。
ご両親への深い感謝、深い思いやりがあるからこそ
我慢してきた部分もあったのかもしれません。

華子さんはお父さんへお手紙を作成していました。

 

パパへ

華子だよ。さっき前田先生から電話がママにあって
パパが前田先生に 私のことを相談したみたいだね
パパ 私の体が変わっていくのが つらくなったんだね
でもね 私は納得しているんだよ
パパとママには つらいかもしれないけど
私の気持ちは変わらないよ

病院でも 手術でも 入院でも
十分がんばったよ
呼吸器になった時も つらかったけど
私はがんばったのよ
私は自分で治療しない選択をして
お家で自分らしく過ごしたいから
在宅ターミナルに決めたんだよ
自分の限られた命を
大切に過ごしているから
体が変わっても 寝たままになっても
ちゃんとできるよ 約束できるよ

だからパパとママも
最期まで私の大好きな
尊敬できるパパとママで
深呼吸しながら がんばって
私のそばにいてください


前田先生が、彼女の代わりに
お手紙を読みました。

でも、お父さんは
華子さんの気持ちは十分わかっていても
生きていればいいことがある、
つらいことばかりじゃないんだよ、と
何とか、一日でも長く生きて欲しい思いを伝えます。

お母さんもきっと同じ気持ちだったでしょう。
でも、華子さんの意思を尊重しようと
華子さんの立場でお父さんに声を掛けます。

そして、華子さんは

もう決めたことだから 言わないで

そう伝えていました。

お父さんの気持ち、
そして華子さんの気持ち、
どちらの考えも分かる気がします。

華子さんは、記者の方へのメールで

医療は全部 受けたつもりだし
穏やかに過ごしたいです

そう綴っていました。

 

8月終わりには、
呼吸が上手く出来なくなってしまいます。
管が気管に入らなくなってしまいました。

薄れゆく意識の中でも
華子さんが伝えようとしていたこと

感謝しにきなやわやや

そう、携帯電話に打たれていた文字は

感謝しなきゃ 感謝しなきゃいけない

最期まで感謝の気持ちを伝えようとしていました。

 

今年9月14日、ご両親に見守られながら
眠るように華子さんは天国へと旅立たれたそうです。

 

旅行の後、周りの人に感謝の気持ちを
伝えていたそうです。

 

華子です。

大磯では、家族でゆっくりしたいという希望を
叶えて下さって、ありがとうございました。
大好きな海の傍まで行けたことが
とても嬉しかったです。
両親とたくさんの楽しい思い出を作ることができました。
自然の風を感じたり、セミが鳴いていたり、
トンボも窓ガラスに来て 楽しかったです。
緑の匂い、空気、木の匂い、海の匂い、
優しい人たちのいい匂いを
私は忘れません。
いっぱいいっぱい、ありがとうございました。

華子より


 

この放送を昨日から
今日まで4回ほど見ました。

どう生きていくか、どういう人間でありたいか
というものが、彼女の中に明確にあったから、
ここまで強い決意を持って、
これ以上の延命はしないという選択を
したんだろうと思いました。

延命を拒否する選択が正しいとか、
いいということではなく、
彼女が自分の命と向き合った上での
一つの生き方なのだと思います。

最期まで、できる限りの医療を尽くして生きる、
そういう生き方ももちろん、一つの生き方です。

どのように生きるか、
それは、自分が納得して最後まで自分らしくあること。
華子さんから、教えてもらいました。


彼女の透明で純粋な言葉を
どうしてもお伝えしたくて、載せました。

天国で、穏やかに過ごされていることを祈っています。

 

 

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ピッピ

私まだ見てないけど、読んだだけなのに本当に辛い夏だったんだと思いました。 だれも死に向かって歩くのはいやだよね。でも彼女は本当に精一杯いきたんだよね。 辛い選択に気持ちがまとまりません。
彼女に対して医療者は何ができるんだろう
by ピッピ (2010-12-10 15:46) 

sou

> ピッピさん♪

華子さんの場合は、
生まれつき心臓に病気を持っていて
幼い頃から手術や治療をずっと
続けてこられたという生活だったと思うのね。

辛い、でも両親もお医者さんも
みんな自分の為に頑張ってくれている、
そう思ったら、弱音、吐きたくても吐けないだろうなって
優しい人ほど、周りに心配かけたくないって
思うと思うから・・・。
華子さんは、頑張り続けてきた自分を
やっぱり一番大切な人(ご両親)には
分かって欲しかったんじゃないかなって
私はそんな風に感じました。

延命をしないと決めた華子さんの
人としての強さ、
真似しようと思ってできることじゃないですよね。

自分の命に限りが見えたとき、
残りの人生をどう生きるか、どう生きたいか、
家族の一員であっても、
自分で最後は決めたいなって
私も思いました。

ゲストとして来ていたお医者様も仰っていたけど、
これが、もっと幼い年齢の子供だったら、
本人が延命しないと言っても説得するでしょうと。
今回は、華子さんが18歳という
しっかり自分の意思を明確に持てる年齢で、
本人の意思も固いということから、
本人の意思を尊重したのでしょうと仰ってましたね。

治療自体が、患者さんにとって
苦しくて辛いものであるとき、
延命が本当にその人にとって
幸せなことなのかどうか・・・
もうそれは本人しかわからないですよね。
家族はどうしたって1分1秒でも長く生きてほしいと
思うでしょうけど、
患者さん自身の人生でもあるわけですから・・・。
患者さんの意に背くような治療は・・・
違うのかもしれませんし・・・
でも、実際、患者さんから延命を拒否されても
はいそうですかって、
医療者の方は了承できないですよね・・・


by sou (2010-12-10 17:29) 

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